【1】 3話 距離感
「サッカー上手やなぁ。めっちゃ目立ってたやん!」
この言葉が2人の距離を大きく縮めた。
次の日も、その次の日も僕たちは話をした。
LINEを交換し合っていない時間も連絡を取り合った。
そんなこんなで月日は流れ、僕は誕生日を迎えた。
「誕生日おめでとう!」
このメッセージがどれほど僕の心を踊らせただろうか…
誕生日から1ヶ月後にはお互いが両想いであることを知っていた。
彼女:「亮介って好きな人いるん?」
僕:「いるよー」
彼女:「そーなんやー、恋愛とか全く興味ないんかと思ってた!」
僕:「そんなわけないやん、男なんやから」
彼女:「へぇー、じゃあさ、好きな人教えてよ」
僕:「いやよ、結衣が教えてくれるなら教えるよ」
彼女:「えー、どうしよっかな。じゃあ出席番号は前半のほう?」
僕:「そんなんも言わへんで」
彼女:「じゃあもういいー。私、亮介のこと好きかも…」
僕:「まじで?ありがとう。俺も結衣のこと好き」
皆さんは何を読まされているのだろう、と思うだろう。
ただ高校生にはこんな甘酸っぱい駆け引きがあったのだ。
思い返してみるとなんて男気がないんだ。と、叱ってやりたくなる。
こうして2人はお互いが好きなことを知った。
しかし、2人が付き合うのはまだ1ヶ月以上先なのだ…
その理由は次の話で…