【1】 2話 気持ち
さっきも言ったが僕は可もなく不可も無い人生を送ってきた。
いや、どちらかといえば目立っていたほうだろう…
部活動のサッカーでもキャプテンを務め近畿大会出場や、
学校でも常に成績は学年の上位にいた。
そんな僕に神様がご褒美をくれたかのような出来事だった。
クラスマッチがサッカーだったのだ。
さらに運が良いことに、僕のクラスにはサッカー部が僕だけだった。
思春期の目立ちたがり屋な時期の少年にとってはとんでもないチャンスだった。
当然のように僕は目立った。それもかなり。派手に。
昼休憩には生まれてはじめて女の子に囲まれた。
悪い気はしなかった。かっこつけるのはやめて本音を言う。
とても気分が良かった。もっといっぱい話したい。このまま時が止まって欲しい。
これが僕の本音だ。
クラスマッチが終わり、教室でホームルームを行う。
結果で言うと僕のクラスは学年で下から3番目だった。
それでも良かった。だって、かっこいい姿を見せれたのだから。
ホームルームが終わり、帰りの掃除をしていると。
「サッカー上手やなぁ。めっちゃ目立ってたやん!」
僕の気持ちが揺れ動く大きな一言だった。
これをきっかけに僕と例の女の子は距離が近くなっていく…
これは、高校一年生で出会った僕と彼女のノンフィクションの物語。
全てが本当の出来事。嘘はない。是非最後まで読んでいただければ…と思う。