【2】 1話 帰り道
はじめて正式に女の子と付き合う僕からすると全てが未知の世界だった。
まず付き合ったカップルは何をして距離を縮めるのか。
考えれば考えるほど面倒くさくなり「やはり付き合うべきではなかったのか」
と何度も考えた。
ある日彼女から放課後一緒に帰ろうのお誘いがあった。
誰かに一緒に帰ってるところを見られたくなかった僕は
「ごめん、もう帰りかけてる」
と学校のグラウンドで嘘をついた。
そこから何回かお誘いがあったがことごとく断った。
流石に友達から「そろそろ一緒に帰ったれ」とお叱りを受け、ある日僕から誘った。
当然彼女は嬉しそうに首を縦にふった。
はじめて一緒に帰る日僕は授業中に何を話ししようかひたすら考えた
結局1日の授業を通して話題は6つ考えた。
それらのキーワードを一つ一つ掌に書き留めはじめて一緒に帰った。
僕の考え抜いたキーワードは結局出会って10分もしないうちに全て終わった
絶望である
なんとか話をつなぎ僕にとってはじめては終わった。
後々彼女に聞くと「話題を考えてきた感じがすごかった。でもそれ以上に話を盛り上げてくれようとしてるのがわかって嬉しかった」
と、好印象なので結果オーライということにしておこう。
【1】 4話 女心
2人が付き合うまで1ヶ月かかった理由、それは俗に言う「三角関係」だ
1話でも書いてあるように彼女はいつも3人グループで行動していた。
後々聞いた話だが、その時3人グループの1うち人が僕に好意を抱いてくれていたらしい
「自慢かよ」と言う読者の皆さんのコメントがとても怖いがあえて言う…
僕は当時クラスマッチのおかげでモテていた!!!
そんな話はさておき、本題に戻ろう
どうやらその1人が僕に好意を抱き相談しているうちに、彼女も僕のことが
気になってしまったらしいのだ
彼女からすると親友の相談にのっているにも関わらず、あろうことかその人を好きになるなど
あってはならないことだ。
しかしあってしまった。これは女心なのか、はたまた人間の本質なのか、彼女の性格がよろしくなかったのか、真相は謎である。
もちろん彼女はとても悩んでいた。これを親友に言わずして僕とは付き合えない。
しかし言ってしまうと友情が壊れてしまうだろう。
彼女は1ヶ月以上考えた末、親友に話を切り出した。
親友:「そんな気はしてたわ!私も2人の方がお似合いやと思ってたし!」
と言ってくれたらしい。
今思うとこの子はなんて大人でいい性格なんだろう。としみじみ思う。
こうして12月2人は正式に付き合うことになった。
【1】 3話 距離感
「サッカー上手やなぁ。めっちゃ目立ってたやん!」
この言葉が2人の距離を大きく縮めた。
次の日も、その次の日も僕たちは話をした。
LINEを交換し合っていない時間も連絡を取り合った。
そんなこんなで月日は流れ、僕は誕生日を迎えた。
「誕生日おめでとう!」
このメッセージがどれほど僕の心を踊らせただろうか…
誕生日から1ヶ月後にはお互いが両想いであることを知っていた。
彼女:「亮介って好きな人いるん?」
僕:「いるよー」
彼女:「そーなんやー、恋愛とか全く興味ないんかと思ってた!」
僕:「そんなわけないやん、男なんやから」
彼女:「へぇー、じゃあさ、好きな人教えてよ」
僕:「いやよ、結衣が教えてくれるなら教えるよ」
彼女:「えー、どうしよっかな。じゃあ出席番号は前半のほう?」
僕:「そんなんも言わへんで」
彼女:「じゃあもういいー。私、亮介のこと好きかも…」
僕:「まじで?ありがとう。俺も結衣のこと好き」
皆さんは何を読まされているのだろう、と思うだろう。
ただ高校生にはこんな甘酸っぱい駆け引きがあったのだ。
思い返してみるとなんて男気がないんだ。と、叱ってやりたくなる。
こうして2人はお互いが好きなことを知った。
しかし、2人が付き合うのはまだ1ヶ月以上先なのだ…
その理由は次の話で…
【1】 2話 気持ち
さっきも言ったが僕は可もなく不可も無い人生を送ってきた。
いや、どちらかといえば目立っていたほうだろう…
部活動のサッカーでもキャプテンを務め近畿大会出場や、
学校でも常に成績は学年の上位にいた。
そんな僕に神様がご褒美をくれたかのような出来事だった。
クラスマッチがサッカーだったのだ。
さらに運が良いことに、僕のクラスにはサッカー部が僕だけだった。
思春期の目立ちたがり屋な時期の少年にとってはとんでもないチャンスだった。
当然のように僕は目立った。それもかなり。派手に。
昼休憩には生まれてはじめて女の子に囲まれた。
悪い気はしなかった。かっこつけるのはやめて本音を言う。
とても気分が良かった。もっといっぱい話したい。このまま時が止まって欲しい。
これが僕の本音だ。
クラスマッチが終わり、教室でホームルームを行う。
結果で言うと僕のクラスは学年で下から3番目だった。
それでも良かった。だって、かっこいい姿を見せれたのだから。
ホームルームが終わり、帰りの掃除をしていると。
「サッカー上手やなぁ。めっちゃ目立ってたやん!」
僕の気持ちが揺れ動く大きな一言だった。
これをきっかけに僕と例の女の子は距離が近くなっていく…
これは、高校一年生で出会った僕と彼女のノンフィクションの物語。
全てが本当の出来事。嘘はない。是非最後まで読んでいただければ…と思う。
【1】 1話 出会い
はじめはクラスの中でもなんとも思わない存在だった。
友達A:「あの子可愛くない?」
友達B:「クラスの中だとダントツやろ!」
などと噂されているあの子の存在など僕にはどうでもよかった。
僕は恋愛というものに全く興味がなかったのだ
理由は「親にバレるのがめんどくさい。学校で噂されるのが怖い。付き合い方がわからない。」など、挙げればキリがない…
入学して2ヶ月、例の女の子には彼女ができた。
いつも3人グループで楽しそうに彼氏の話をしているのが聞こえてくる
「今ままでもずっとそうやって付き合って生きてきたんやろな…」
僕は半ば感心しながらどうでもいい話を盗み聞きしていた。
入学して4ヶ月、例の女の子は別れたらしい。
またも3人組で次は慰める話をしている。バカバカしい。
「いつかは別れが来るもんやろ」僕は当時こう考えていた。
別にその女の子が嫌いなわけではない。むしろ可愛いから話をしたいと思っていた。
入学して半年、ただ部活・勉強に一生懸命で可もなく不可も無い生活を送っていた
僕に転機が訪れる。
僕にとっての転機…
クラスマッチだ。